【人生の教科書】老子の教え・思想を徹底解説します

世の中から一身を引いて、時速や素朴なあり方、謙虚さなどを説く老子。その思想は時代を超えて人々の心に直接働きかける力を持っています。
この記事では2000年以上に渡って読みつがれてきた中国古典の「老子」読み解き、解説します
目次
上善は水の如し
最上の善なるあり方は水のようなものだと老子はいいます。
水はあらゆるものんい恵みを与えます。
それでいて、争うことがなく誰もがみな嫌だと思う低いところに落ち着きます。
これから、身の置きどころは低いところがよく、心の持ち方は静かで深いのがよく、
人との付き合い方は思いやりを持つのがよく、言葉は真であることがよく、物事はなりゆきに任せるのがよいのです。
功遂げて身退くは、天の道なり
満ち足りた状態を失わないように、保ち続けるのはやめたほうが良い、というのが老子の教えです。
刃物を鍛えて鋭くするのは、長く切れ味を保てません。
金銀財宝が部屋にいっぱいあるのでは、守り続けることができません。
仕事を成し遂げたら、身を退く。それが天の道だと老子は説きます。
人の知る者は智なり、自ら知る者は明なり
他人のことがわかる者は智者であり、自分のことがわかる人は明人です。
他人に打ち勝つ者は力がありますが、自分に打ち勝てるひとは本当に強いのです。
満足を知る者は富み、力を尽くして行うものは志が遂げられます。自分のいるべき場所を失わない者は中続きし、死んでも滅びることのない道のままに生きたものは長寿です。
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上徳は徳とせず、是を以て徳あり
高い徳を身に着けたものは徳を意識していません。
低い徳を身に着けた人は徳を失うまいとしています。そういうわけで徳がありません。
高い徳を身に着けた人は、世の中に働きかけるということはしないですし、何の打算もありません。
りっぱな男子は道に即して純粋なところに身をおき、誠実さが欠けた薄っぺらいところには身をおかないのです。
学を為す者は日に益し、道を為す者は日に損す
学問を修める者は日々にいろんな知識が増えていくが、道を修める者は日々にいろいろな欲望が減っていきます。欲望を減らし、減らし続けることで
ゆくゆくは何事も為さないでいて、しかもすべてのことを為していると老子はいいます。
天下を統治するには、いつでも何事も為さないようにすることが大事。
いつでもなにかに構えるのは天下を統治するには不十分です。
聖人は、上に処りて面(しか)も民重しとせず
聖人は、人民の上に立とうとするなら必ず謙虚な言葉でへりくだり、人民の先に立とうとするなら必ず我が身のことをあとにします。
そのため聖人は、人民の上にいても人民を思いとは思わないですし、人民の前にいても人民を障害とは思わないのです。
そうすることで、人民は喜んで彼をおし、嫌だとは思わないのです。
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天下に水より柔弱なるはなし
我に三宝あり、持してこれを保つ
わざわいは敵を軽んじるより大なるはなし
兵法に次のような言葉があります。
「自分から無理に攻勢をとるな、むしろ守勢にまわれ。一寸でも無理に進もうとするな。むしろ一尺でも退け。」
敵を侮ることにより大きな災禍はなく、敵を傲れば、ほとんど自分の宝を失ってしまうだろう。というのが老子の考えです。
両軍の兵力が互角の形成にあるときは、哀しむもののほうが勝ちます。
足るを知らば辱められず、止どまるを知らばあやうからず
柔弱は剛強に勝つ
縮めてやろうとするのであれば、必ずしばらく拡張してやりなさい。
弱めてやろうとするならば、必ずしばらく強めてやりなさい。
奪ってやろうとするならば、必ずしばらく与えてやりなさい。
これを奥深いすぐれた知恵といいます。
柔弱(気力にかけ、弱々しい者)は剛強なるものに勝つのです。
為す無きを為し、事なきを事とし、味なきを味わう
何も為さないということを為し、何も事がないということを事とし、何も味がないということを味とする。
小さいものを大きいものとして扱い、少ないものを多いものとして扱う。
人の怨みには、徳で持って報いる。
難しいことは、それが易しいうちに手掛け、大きいことはそれが小さいうちに処理する。
こういった、一見逆張りともいえる教えを老子はといます。これは非常に理にかなっています。
世の中の難しい物事は必ず易しいことからおこり、世の中の多き物事は必ず些細なことからおこります。
そのため、聖人は、いつも大きな物事は行いません。だから大きな物事が成し遂げられるのです。
安請け合いすれば信用が少なくなるし、易しいと見くびることが多ければきっと難しいことが多くなります。
聖人でさえ、物事を難しいこととして対処します。だからいつも難しくならないのです